入社時の誓約書に入れる主な項目
| 項目 | 書く内容の例 | 関係する法令 |
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| 就業規則の遵守 | 就業規則その他の規程を守り、誠実に勤務する | — |
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| 秘密保持 | 業務上知った秘密情報を、在職中も退職後も漏らさない | 不正競争防止法第2条第6項(営業秘密) |
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| 個人情報 | 顧客や従業員の個人情報を業務以外に使わない | 個人情報保護法第24条(従業者の監督) |
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| ハラスメントの禁止 | パワハラ・セクハラなどにあたる言動をしない | 男女雇用機会均等法第11条、労働施策総合推進法 |
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| 会社財産 | 貸与品を大切に扱い、退職時に返却する | — |
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| 損害を与えた場合 | 故意・重大な過失による損害の賠償責任を負う(金額は書かない) | 労働基準法第16条 |
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誓約書に書けない約束の例
| 書けない例 | 理由 |
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| 「入社から1年以内に退職したら違約金10万円を支払う」 | 労働契約の不履行について違約金を定めることになる |
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| 「会社に損害を与えたら1回につき5万円を支払う」 | 損害賠償額をあらかじめ決める(賠償予定)ことになる |
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労働基準法第16条、厚生労働省 和歌山労働局「賠償予定の禁止(第16条)」をもとに作成。現実に生じた損害について賠償を求めることまでは禁止されていません。
退職時の秘密保持誓約書の流れ
- 秘密情報の範囲を確かめる顧客名簿、取引条件、設計資料など、対象をできるだけ具体的に書く
- 資料と貸与品を返す書類・電子データ・記録媒体を返却または廃棄し、貸与されたパソコンや社員証も返す
- 署名・押印して提出する退職日までに提出し、控えが必要ならコピーを取っておく
競業避止の条項を入れる場合の目安として、経済産業省の資料(平成24年度の調査で判例を分析したもの)は、期間について、概して1年以内は肯定的に捉えられている一方、調査当時の比較的新しい事案では、2年の期間に否定的な判断も見られたと整理しています。あくまで判断の傾向で、業種や従業員の地位などの事情によって結論は変わります。
誓約書が必要になる場面
- 内定後や入社日に、入社書類の一つとして誓約書の提出を求められたとき
- 人事の担当者として、入社時の誓約書のひな形を用意したいとき
- 退職する従業員に、秘密保持や貸与品の返却を書面で確認したいとき
- アルバイトやパートを採用する際に、守ってほしい職場のルールを書面にしたいとき
誓約書に書く項目
| 項目 | 書き方のポイント |
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| 表題 | 入社時は「誓約書」、退職時は「秘密保持誓約書」とすると、何の書類かがすぐ分かります。 |
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| 宛名 | 会社名と代表者の役職・氏名に「殿」か「様」を付けます。 |
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| 前文 | 「貴社に入社するにあたり、下記の事項を守ることを誓約いたします」のように、何のための誓約かを書きます。 |
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| 誓約事項 | 就業規則の遵守、秘密保持、個人情報の取扱い、ハラスメントの禁止、会社財産の扱いなどを、番号を付けて1項目ずつ書きます。 |
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| 損害を与えた場合 | 書くなら、金額を決めずに「損害を賠償する責任を負います」とします。労働基準法第16条は違約金や「〇〇円を支払う」といった金額の予定を禁止していますが、現実に生じた損害の賠償請求までは禁じていません(厚生労働省の解説)。 |
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| 日付・署名 | 提出日、住所、氏名、生年月日を書き、押印します。退職時は所属も入れます。 |
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誓約書の書き方
- 「誓約書の種類」で、入社時の誓約書か、退職時の秘密保持誓約書かを選びます。
- 会社名・代表者名、提出日、自分の住所・氏名を入力します。入社時は入社日、退職時は退職日と所属も入れます。
- 秘密情報の例を、会社の業務に合わせて書き換えます。損害の条項や競業避止の条項を入れるかどうかも選べます。
- 会社独自の約束があれば「追加の誓約事項」に1行ずつ書きます。入力欄の上にある「自動チェック」で、違約金や賠償額の予定にあたる書き方がないかを確かめられます。
- 印刷して内容を読み、納得したうえで署名・押印して提出します。分からない項目は、提出前に人事担当者に確認しましょう。
誓約書の注意点
- 労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁止しています。「途中で辞めたら違約金を払う」「会社に損害を与えたら〇〇円払う」といった約束は、誓約書に書いても認められません(厚生労働省 和歌山労働局)。
- 実際に生じた損害の賠償を求めることまでは禁止されていません。ただし厚生労働省の解説では、仕事上のミスで会社に損害を与えても労働者が当然に全額を賠償するわけではなく、事情に照らして信義則上相当と認められる限度で責任を負うことがあるとされています。
- 秘密保持の対象は「顧客名簿」「取引条件」のように具体的に挙げると、何を守ればよいかがはっきりします。不正競争防止法で営業秘密として保護されるのは、秘密として管理され、事業に有用で、公然と知られていない情報です(第2条第6項)。
- 退職後の競業避止(同業他社への転職や開業の制限)は、職業選択の自由を制約するため、広すぎる制限は無効と判断されることがあります。入れる場合は、期間・地域・対象の業務をできるだけ絞って書きます。
- 会社には、従業員に個人データを扱わせるときに必要かつ適切な監督を行う義務があります(個人情報保護法第24条)。誓約書で個人情報の扱いを確認するのは、そのための手段の一つです。
- 会社側で作るときは、誓約書の内容が就業規則の定めと食い違わないよう、事前に照らし合わせておきましょう。
関係する法令
- 労働基準法第16条
- 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはなりません。
- 不正競争防止法第2条第6項
- 営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報で、公然と知られていないものをいいます。
- 男女雇用機会均等法第11条
- 事業主は、職場のセクシュアルハラスメントを防ぐため、相談に応じて適切に対応する体制の整備など、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。
誓約書のよくある質問
誓約書に「違約金」を書いてもいいですか?
いいえ。労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めることや、損害賠償額をあらかじめ決めておくことを禁止しています。「途中で辞めたら違約金を払う」「損害を与えたら〇〇円払う」といった約束はできません。
会社に損害を与えたら、全額を賠償しなければなりませんか?
当然に全額というわけではありません。厚生労働省「確かめよう労働条件」では、事業の性格や規模、業務の内容、損害を防ぐための会社の配慮の程度などの事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度で責任を負うことがある、と説明されています。
退職時に秘密保持誓約書へのサインを求められたら?
署名する前に、秘密情報として挙げられている範囲と、退職後に制限される内容を確認します。範囲があいまいだったり、退職後の仕事を広く制限する内容が含まれていたりする場合は、会社に説明を求めましょう。
競業避止の約束は有効ですか?
内容によります。経済産業省の資料では、守るべき企業の利益があるか、従業員の地位、地域の限定、期間、禁止される行為の範囲、代償措置の有無などから有効性が判断されると整理されています。期間についても、形式的に何年以内なら認められるというものではないとしています。
誓約書はパソコンで作ってもいいですか?
はい、構いません。法律で書式が決まっている書類ではないので、パソコンで作って印刷し、署名・押印して提出できます。会社から指定の様式を渡されたときは、そちらを使います。
誓約書と身元保証書はどう違いますか?
誓約書は本人が会社に約束する書類、身元保証書は親族などの身元保証人が、本人が会社に与えた損害を保証すると約束する書類です。身元保証書には、期間の上限(最長5年)や極度額の記載といった法律上のルールがあります。
内容の最終確認日:2026年10月15日(Daseosik編集部)。このページの解説は一般的な情報で、個別の事情に応じた法律・税務の助言ではありません。法令や運用は変わることがあるため、大切な書類は提出先や専門家(弁護士・社会保険労務士・税理士・行政書士など)にもご確認ください。