引継ぎの理由ごとに気をつけること
| 理由 | いつまでに | 気をつけること |
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| 異動 | 異動日の前日まで | 異動先の連絡先を書いておく。異動した後も前任者に聞ける期間を、上司を交えて決めておく |
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| 退職 | 最終出社日まで(有給休暇を取るなら、休暇に入る前の出社日まで) | 取引先への挨拶と後任者の紹介を済ませる。引継書の控えや顧客の情報は持ち帰らない |
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| 産前産後休業・育児休業 | 産前休業に入る前まで(出産予定日の6週間前、多胎妊娠は14週間前から請求できる) | 体調で予定より早く休むこともあるので早めに書く。休業中だけ預ける業務と、復帰後に戻る業務を分けておく |
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| 病気などによる休職 | 書ける範囲で(急な場合は上司が引き継ぐ) | 本人が書けないときに備え、ふだんから業務の一覧と資料の場所を共有しておく |
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後任者と一緒に進める引継ぎの手順
- 業務を書き出す毎日・毎週・毎月・年1回の仕事を、予定表やメールの送信記録を見ながら一覧にします。
- 進行中の案件を整理する終わっていない仕事ごとに、今の状況と次にやること、期限を書きます。
- 一緒にやってみる後任者と並んで実際の作業を行い、つまずいたところを引継書に書き足します。
- 関係者に紹介する社内外の関係者に、担当が替わる日と後任者の名前を伝えます。
- 読み合わせて署名する上司を交えて引継書を読み合わせ、前任者・後任者・上司が確認欄に署名または押印します。
引継書に書かないもの
- パスワード、暗証番号、クレジットカードの番号(管理者に再発行や権限の変更を頼みます)
- 同僚や取引先の担当者についての個人的な評価やうわさ(仕事を進めるうえでの事実としての注意点だけを書きます)
- 私用の連絡先(書くかどうかは本人と会社で決めます)
引継書が必要になる場面
- 4月の人事異動の内示を受け、今の担当業務を後任者に引き渡すとき
- 退職が決まり、最終出社日までに後任者や上司へ仕事を引き継ぐとき
- 産前産後休業・育児休業や、病気による休職に入る前に、休みの間の担当を決めるとき
- 担当している取引先やプロジェクトが、社内の別の人に替わるとき
- 後任が決まっていないため、上司にいったん業務を預けるとき
引継書に書く項目
| 項目 | 書き方のポイント |
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| 引継ぎの理由・日程 | 異動・退職・休業などの理由、引継ぎを始める日と終える日、異動日や最終出社日です。 |
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| 前任者・後任者・確認者 | 誰から誰に引き継ぐか、確認する上司は誰かです。後任が未定なら、上司がいったん預かります。 |
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| 担当業務の一覧 | 業務の名前、頻度や時期(毎日・毎月10日・年1回など)、今の状況と注意点です。 |
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| 進行中の案件 | 終わっていない仕事と、次にすべきこと、その期限です。引継書の中で最も大事な部分です。 |
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| 関係者・取引先 | 社内外の相手、用件、相手ごとの注意点です。 |
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| 資料・データの保管場所 | 共有フォルダの場所、紙の書類の棚、手順書の名前です。 |
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| システム・アカウント | 使っているシステムと、権限の変更を頼む先です。パスワードそのものは書きません。 |
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| 引継ぎ後の連絡先 | 異動先の部署名や内線など、後で質問できる窓口です。 |
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引継書の書き方
- 「引継ぎの理由」を選び、作成日、引継ぎの開始日と完了予定日、異動日(退職なら最終出社日、休業なら休みに入る日)を入れます。
- 部署、前任者・後任者・確認者(上司)、引継ぎ後の連絡先を入れます。後任が決まっていなければ、後任者は空欄にします。
- 担当業務を「業務 / 頻度・時期 / 状況・注意点」、進行中の案件を「案件 / 状況 / 次の対応・期限」、関係者を「相手 / 用件 / メモ」の順に1行ずつ入力します。
- 資料の保管場所、システム・アカウント、注意点を書きます。
- 「自動チェック」で日程や書き漏れを確かめたら印刷し、後任者と読み合わせて、確認欄に署名または押印します。
引継書の注意点
- 後任者が一人で読んで仕事を進められるかどうかを基準に書きます。社内の略語や「いつもの手順」は、手順書の名前や具体的な手順に置き換えます。
- 書類を渡して終わりにしないようにします。後任者と並んで実際の作業を一度やってみる、取引先に一緒に行って紹介するなど、書面と実地の両方で進めると抜けに気づけます。
- 月末や年に一度しかない仕事は、引継ぎの期間中に実際の作業がないことがあります。手順と注意点を細かく書き、過去の資料のありかも添えます。
- パスワードは引継書に書きません。システムの管理者に、後任者のアカウントの発行と、前任者の権限の停止を頼みます。
- 顧客名簿や取引の条件などは、会社の営業秘密に当たることがあります。引継書の控えを退職後に持ち帰ったり、個人のクラウドに保存したりしないようにします。
- 退職の前に年次有給休暇をまとめて取るなら、休暇に入る前の出社日から逆算して引継ぎの日程を組みます。
- 産前休業は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から、請求すれば取れます。体調によって早めに休むこともあるので、引継書は前もって書き進めておくと安心です。
関係する法令
- 民法第627条
- 期間の定めのない雇用では、各当事者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間を経過すると雇用が終了すると定めています(第1項)。
- 労働基準法第39条
- 年次有給休暇は労働者の請求する時季に与えるのが原則で、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に限り、他の時季に与えることができると定めています(第5項)。
- 労働基準法第65条
- 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合は就業させてはならないこと、産後8週間を経過しない女性を原則として就業させてはならないことを定めています。
- 不正競争防止法第2条
- 秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報で、公然と知られていないものを「営業秘密」と定義しています(第6項)。
引継書のよくある質問
引継書は誰が作るものですか?
担当を離れる前任者が作り、後任者と上司が内容を確かめます。後任が決まっていないときは、上司にいったん引き継ぎ、後任が決まった時点で上司から改めて引き継ぎます。
引継ぎにはどのくらいの期間が必要ですか?
決まった期間はなく、業務の量と、後任者と一緒に作業できる日数によります。引継書を書く時間と、実際の作業を一緒にする時間の両方を、異動日や最終出社日から逆算して確保します。
退職前に有給休暇を使い切ると、引継ぎの時間がありません。どうすればいいですか?
有給休暇は退職の直前でも取れます。大阪労働局は、会社は事業の正常な運営を妨げる場合に時季を変更できるものの、退職日を越えて変更することはできないと説明しています。そのうえで、休暇に入る前の出社日に引継ぎを終える計画を立てるか、退職日をずらせないか会社と話し合います。和歌山労働局も、引継ぎが必要な場合は退職する労働者と話し合うよう事業主に案内しています。
引継書にパスワードを書いてもいいですか?
いいえ。引継書は印刷されたりファイルで回覧されたりするため、パスワードが残ると不正に使われるおそれがあります。システムの管理者に後任者のアカウントの発行を頼み、前任者の権限は停止してもらいます。このページでは、「パスワード:」のような書き込みがあると自動チェックで注意が出ます。
産休に入る前の引継書はいつまでに書けばいいですか?
産前休業を取り始める日より前に終えるのが基本です。産前休業は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から、請求すれば取れ、出産当日も産前休業に含まれます。このページで「産前産後休業・育児休業」を選び、出産予定日を入れると、その日付の目安を自動チェックに表示します。
引継書と退職の挨拶は別に用意しますか?
はい。引継書は後任者と上司に仕事を渡すための書類、退職の挨拶は社内外の関係者にお礼と担当の交代を伝える文面です。取引先には、挨拶の中で後任者の名前を伝え、できれば後任者と一緒に訪ねます。
内容の最終確認日:2026年10月29日(Daseosik編集部)。このページの解説は一般的な情報で、個別の事情に応じた法律・税務の助言ではありません。法令や運用は変わることがあるため、大切な書類は提出先や専門家(弁護士・社会保険労務士・税理士・行政書士など)にもご確認ください。