結果・成果、所感、今後の対応の書き分け
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|
| 結果・成果 | 事実(決まったこと・数字・相手の発言) | 来期の発注数量を今期の1.2倍とする方向で合意。正式な見積書を11月5日までに提出するよう依頼された |
|---|
| 所感 | 事実から自分が考えたこと | 関西地区では競合品の値下げが進んでおり、価格以外の提案(配送回数の見直しなど)が必要だと感じた |
|---|
| 今後の対応 | 誰が・何を・いつまでに | 山田が11月5日までに見積書を作成し、課長の確認を経て提出する |
|---|
出張の旅費・日当と税金の扱い
| 項目 | 扱い | 根拠 |
|---|
| 社員が受け取る旅費・日当(通常必要と認められる範囲) | 所得税はかからない | 所得税法第9条第1項第4号、国税庁 No.2508 |
|---|
| 国内出張の旅費・宿泊費・日当(会社の消費税) | 課税仕入れ。通常必要な部分は帳簿のみの保存で仕入税額控除(実費精算も同じ) | 国税庁 No.6459・No.6496、インボイスQ&A 問107 |
|---|
| 海外出張の旅費・宿泊費・日当(会社の消費税) | 原則として課税仕入れにならない | 国税庁 No.6459 |
|---|
「通常必要」かどうかは、所得税基本通達9-3により、支給額が役員・使用人の全体を通じて適正なバランスが保たれている基準で計算されているか、同業種・同規模の他の使用者が一般的に支給している金額に照らして相当か、を勘案して判定します(国税庁 インボイスQ&A 問107に掲載)。
研修・展示会の報告にするときは
- 研修は、研修名・主催者・会場を出張先と目的の欄に書き、学んだ要点を3つ程度に絞って結果・成果に書きます。
- 展示会は、回ったブース、集めた資料、名刺を交換した相手と人数を日程と結果・成果に書きます。
- どちらも、今後の対応に「誰が・何を・いつまでに」を書き、得た情報を業務につなげます。
出張報告書が必要になる場面
- 取引先への訪問や商談、現地での打合せから戻ったとき
- 展示会・見本市の視察や、社外の研修・セミナーに参加したとき
- 工場・店舗の巡回や工事の立ち会いなど、現場の状況を報告するとき
- 旅費や日当の精算に、出張の内容を書いた報告書を添えるよう求められたとき
出張報告書に書く項目
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|
| 報告日・宛先・報告者 | 提出する日、報告を受ける上司の役職と氏名、自分の所属と氏名です。 |
|---|
| 出張先 | 訪問した会社・施設の名前と所在地(市区町村まで)。複数なら主な訪問先を並べ、詳しくは日程に書きます。 |
|---|
| 目的 | 何のための出張かを1文で書きます。成果はこの目的に照らして書くと、読む人が評価しやすくなります。 |
|---|
| 期間・同行者 | 出発日と帰着日、日帰りか何泊か、一緒に行った社員です。 |
|---|
| 日程 | 日時と行動を時系列で並べます。訪問先では、誰と会ったかまで書きます。 |
|---|
| 結果・成果 | 決まったこと、相手の発言、見積もりの依頼など、事実だけを書きます。 |
|---|
| 所感 | 事実から自分が考えたこと(市場の変化、課題、提案)を、結果とは分けて書きます。 |
|---|
| 今後の対応 | 誰が、何を、いつまでにするかを書きます。 |
|---|
| 旅費 | 交通費・宿泊費・日当の合計と、仮払金との差額です。細かい明細は経費精算書で出す会社もあります。 |
|---|
出張報告書の書き方
- 出張中のメモ、交換した名刺、受け取った資料、乗車券や宿泊の記録を手元にそろえます。
- 報告日、宛先、所属・氏名、出張先、目的、出発日と帰着日、同行者を入れます。日数と宿泊数は自動で表示されます。
- 日程を「日時 / 内容」の順に1行ずつ入力し、結果・成果、所感、今後の対応を書きます。
- 旅費を「区分 / 内容 / 金額」の順に入力し、日当の1日あたりの金額と仮払金を入れると、日当・合計・差額が計算されます。
- 「自動チェック」で日付の食い違いや書き漏れを確かめ、印刷・PDF・Excelで保存して上司に提出します。
出張報告書の注意点
- 「目的」と「結果・成果」の欄だけ読めば要点が分かるように書きます。上司が最初に知りたいのは、行った結果、何が決まり、次に何をするかです。
- 結果には事実だけを書き、自分の考えは所感に分けます。「好感触だった」ではなく、「見積書の提出を依頼された(11月5日まで)」のように、相手の発言や数字で書きます。
- 日程の時刻は、乗車券や予定表、メールの送信時刻など記録の残るものから書くと正確です。帰ってから記憶が新しいうちにまとめます。
- 訪問先で会った人は、会社名・部署・役職・氏名まで書きます。名刺の情報を写しておくと、次に連絡するときや担当が替わったときに役立ちます。
- 研修やセミナーの報告では、内容の要約だけで終わらせず、自分の業務で何を試すかを今後の対応に書きます。
- 旅費は会社の旅費規程に従って書きます。日当や宿泊費の上限額が決まっている場合は、その金額を確かめてから入力します。
関係する法令
- 所得税法第9条
- 給与所得を有する人が勤務する場所を離れて職務を遂行するために旅行をした場合などに、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるものには、所得税を課さないと定めています(第1項第4号)。
出張報告書のよくある質問
出張報告書はいつまでに出せばいいですか?
期限は会社によって違います。決まりがなければ、記憶が新しいうちに、帰ってから数日以内にまとめるのが一般的です。商談の結果など急ぐ内容は、報告書の前に口頭やメールで要点だけ伝えておきます。
「所感」には何を書けばいいですか?
出張で見聞きした事実から、自分が考えたことを書きます。「関西地区では競合品の値下げが進んでおり、価格以外の提案が必要と感じた」のように、事実と考えをつなげると、読む人が判断に使えます。「勉強になった」のような感想だけの文章は避けます。
日帰りの出張でも報告書は必要ですか?
会社の決まりによります。日帰りでも、商談の結果や今後の対応を共有する必要があるなら、この様式で簡潔にまとめておくと記録として残ります。このページでは、出発日と帰着日が同じなら期間に「日帰り」と表示されます。
日当に所得税はかかりますか?
通常必要と認められる範囲なら、かかりません(所得税法第9条第1項第4号)。国税庁は、転勤や出張などのための旅費のうち通常必要と認められるものを、非課税となる手当の例に挙げています(No.2508)。自社の日当の額が範囲内か迷うときは、経理の担当者や税理士に確認しましょう。
海外出張の旅費は消費税の仕入税額控除の対象になりますか?
原則としてなりません。国税庁は、海外への出張のために支給した出張旅費、宿泊費、日当等は原則として課税仕入れにならないとしています(No.6459)。国内出張の分とは分けて記録しておきます。
研修やセミナーの参加報告にも使えますか?
はい。出張先に会場、目的に研修名とねらい、結果・成果に学んだ内容の要点、今後の対応に業務での生かし方を書けば、研修報告書として使えます。
内容の最終確認日:2026年10月21日(Daseosik編集部)。このページの解説は一般的な情報で、個別の事情に応じた法律・税務の助言ではありません。法令や運用は変わることがあるため、大切な書類は提出先や専門家(弁護士・社会保険労務士・税理士・行政書士など)にもご確認ください。