退職願と退職届のちがい
| 項目 | 退職願 | 退職届 |
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| 法律上の位置づけ | 合意退職の申込み(会社の承諾を求める) | 辞職の意思表示(一方的な通知) |
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| 退職が決まるとき | 会社が承諾したとき | 会社に届いた時点で効力が生じ、期間の定めのない雇用なら申し入れから2週間で終了 |
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| 撤回 | 会社が承諾するまでは可能 | 会社に届いた後は原則できない |
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| 本文の結び | 退職いたしたく、ここにお願い申し上げます | 退職いたします |
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| 向いている場面 | 退職日や引き継ぎを相談して決めたい | 退職日を確定させたい、話し合いが進まない |
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厚生労働省「スタートアップ労働条件」事業者向けQ&A(退職願の撤回)、民法第97条・第522条・第627条をもとに作成。
撤回できるのはいつまで?
- 退職願を渡す前手元にあるうちは、いつでも書き直したり取りやめたりできます
- 上司に渡した後会社が承諾するまでは撤回を申し出られます。直属の上司が受け取っただけで、承諾する権限のある人にまだ届いていない段階も含まれます(厚生労働省の解説)
- 会社が承諾した後原則として撤回できません。会社が認めれば、退職を取りやめられます
縦書きの退職願の文面
本文は「このたび、一身上の都合により、来る令和八年十二月三十一日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」の一文で足ります。退職届の「〜をもって退職いたします。」と違い、言い切らずにお願いで結ぶのが退職願の書き方です。前後に「私儀」、提出日、所属と氏名、宛名を置く並びは退職届と同じです。
封筒の準備
- 郵便番号の枠がない白無地の封筒を選び、表の中央に「退職願」、裏の左下に所属と氏名を書きます。
- 封筒の大きさは、A4の三つ折りには長形3号、B5の三つ折りには長形4号が合います。「印刷するもの」で封筒を選ぶと、用紙に合わせたサイズで印刷します。
- 上司に直接渡すなら封はしなくてかまいません。郵送するときは封をして封じ目に「〆」を書き、送付状を同封します。
退職願が必要になる場面
- 上司に退職の意向を伝えたところ、「まずは退職願を出してください」と言われたとき
- 繁忙期や後任が着任する時期に合わせて、退職日を会社と調整しながら決めたいとき
- いきなり退職日を言い切るのではなく、お願いの形で穏やかに意思を示したいとき
- 社内の手続きで、退職の申し出には退職願を使うと決められているとき
退職願に書く項目
| 項目 | 書き方のポイント |
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| 表題 | 1行目に「退職願」と書きます。退職を認めてもらう立場であることが、表題だけで伝わります。 |
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| 私儀(わたくしぎ) | 自分のことを申し述べるときの書き出しで、表題の次の行に下寄せで置きます。入れるかどうかは任意なので、社内の慣例に合わせれば十分です。 |
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| 退職理由 | 自分の都合で辞めるなら「一身上の都合により」の一言で足ります。詳しい事情を書面に残す必要はありません。 |
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| 退職を希望する日 | 「来る令和〇年〇月〇日をもって」と書きます。上司と話がついている日があればその日を、まだなら希望日を書き、最終的な日付は話し合いで決めます。 |
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| 結びの言葉 | 「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」と、お願いの形で結びます。「退職いたします」と言い切ると、退職届と同じ通知の文面になります。 |
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| 提出日 | 実際に手渡す日です。縦書きでは漢数字で書くのが一般的で、このページでは自動で漢数字になります。 |
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| 所属・氏名・押印 | 部署名、氏名の順に下寄せで書き、氏名の下に認印を押します。 |
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| 宛名 | 退職を承諾する立場にある会社の代表者(代表取締役社長など)宛てにし、敬称は「殿」か「様」を付けます。 |
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退職願の書き方
- 退職願を書く前に、直属の上司に面談の時間をもらい、退職したいことと希望の時期を口頭で伝えます。
- 入力欄の「書類の種類」が「退職願」になっていることを確かめ、退職を希望する日、提出日、所属、氏名、会社名、代表者名を入れます。
- 結びの言い回しを2種類から選び、「書き方」で縦書きか横書き、「用紙」でA4かB5を選びます。
- 「印刷・PDF保存」で印刷し、氏名の下に認印を押します。「印刷するもの」を封筒に切り替えると、白無地の封筒の表と裏も印刷できます。
- 上司に手渡したら、後日、会社が承諾したかどうかと確定した退職日を確認します。承諾の連絡を書面やメールで残してもらえると、あとで日付の食い違いが起きません。
作成・提出の注意点
- 出した退職願を取り下げたくなったら、会社が承諾する前に、できるだけ早く上司に申し出ます。厚生労働省の解説では、直属の上司に渡した段階でも、退職を承諾する権限のある人に届くまでの間は撤回できるとされています。
- 会社が承諾した後の撤回は、会社が認めた場合に限られます。迷いが残っているうちは出さず、気持ちが固まってから提出しましょう。
- 承諾がもらえないまま話が進まないときは、会社の承諾を必要としない退職届に切り替える方法があります。期間の定めのない雇用なら、退職届を出してから2週間で雇用契約は終わります(民法第627条第1項)。
- 厚生労働省は、辞職の意思表示か合意退職の申込みか区別がつかない場合は、合意退職の申込みと考えられるとしています。お願いとして出すなら、表題と結びの言葉をどちらも退職願の形にそろえておくと誤解がありません。
- 退職勧奨を受けて辞めるときに、自分からお願いする形の退職願を出すと、自分の都合で辞めたように受け取られるおそれがあります。勧奨に応じるときの書類は、会社や専門家に確認してから用意しましょう。
- 提出する前にコピーを取るか、PDFで保存しておくと、出した日付や文面をあとで確かめられます。
関係する法令
- 民法第522条
- 契約は、内容を示して締結を申し入れる意思表示(申込み)に対し、相手方が承諾したときに成立します(第1項)。退職願による合意退職も、会社の承諾によって成立すると解説されています(厚生労働省)。
- 民法第97条
- 意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生じます(第1項)。厳生労働省の解説では、辞職の意思表示(退職届)は会社に到達した段階で効力を持ち、それ以降は撤回できなくなるとされています。
- 民法第627条
- 期間の定めのない雇用では、各当事者はいつでも解約の申し入れができ、申し入れの日から2週間が経過すると雇用が終了します(第1項)。会社が退職願を承諾しないときは、この規定に基づいて辞職する道があります。
退職願のよくある質問
退職願は撤回できますか?
会社が承諾するまでなら撤回できます。厚生労働省の解説では、退職願は「合意退職の申込み」で、会社の承諾があって初めて退職が成立するため、それまでは撤回が可能とされています。承諾の後は、会社が撤回を認めた場合に限られます。
退職願と退職届で迷ったら、どちらにすればいいですか?
話し合いで円満に辞めたいなら退職願が向いています。会社の承諾を前提にするので、引き継ぎや退職日の調整がしやすくなります。引き止めが続いて話が進まないなど、承諾を待たずに辞める事情があるなら退職届です。就業規則や上司から書類の種類を指定されていれば、それに合わせます。
退職願はいつまでに出せばいいですか?
退職願の提出時期を定めた法律はありません。就業規則に申し出の期限があればそれより前に出し、なければ引き継ぎに必要な期間を見込んで、上司に口頭で伝えた後に出すのが一般的です。
「退職いたしたく」と「退職させていただきたく」はどちらが正しいですか?
どちらも使われます。定番は「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」で、「退職させていただきたく、お願い申し上げます」はよりへりくだった言い方です。「退職いたします」と言い切ると、お願いではなく退職届と同じ通知の文面になります。
会社が退職願を承諾してくれないときは?
期間の定めのない雇用なら、退職届で退職の意思を伝えれば、会社の承諾がなくても申し入れから2週間で雇用は終わります(民法第627条第1項)。手渡しを断られる場合は、内容証明郵便で送る方法もあります。話がこじれたときは、都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーに相談できます。
退職願に書いた日付を変えたいときは?
会社が承諾する前なら、上司に相談したうえで、日付を直した退職願を出し直すのが確実です。承諾の後でも、会社と合意できれば退職日を変えられます。
内容の最終確認日 2026-10-13・Daseosik編集部。このページの解説は一般的な情報で、個別の事情に応じた法律・税務の助言ではありません。法令や運用は変わることがあるため、大切な書類は提出先や専門家(社会保険労務士・税理士・行政書士など)にもご確認ください。